1996年、福島大学演劇研究会を母体に満塁鳥王一座(まんるいとりきんぐいちざ)として旗揚げ。2015年からは、シア・トリエに名称を改める。福島県福島市を活動の拠点として、ポップとアート、古典と新作の間をうろうろしたりミクスチャしたりしながら、演劇表現の追求と探求を目的に活動中。
結成当初より、新たな出会いを求めて県内各地のほか青森・東京・大阪・福岡など全国各地で公演を行う。また、2016年にはドイツ・ミュンヘン市、2019年に韓国・禮山郡において海外公演も実施。
代表作に、東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所事故の福島のとまどいをビビッドに表現した「キル兄にゃとU子さん」、ギリシャ悲劇を閉塞した地方都市の復讐劇に置き換えた「エレクトラ」など。
「U子さんの町にはキル兄にゃが住んでいる。」2011年6月初演。東日本大震災と原発事故に対する戸惑いをビビットに表現し、青森、東京、横須賀、北九州、ミュンヘンなど各地で上演された話題作。
U子さんの町にはキル兄(あん)にゃが住んでいます。キル兄にゃというのはあだ名です。なぜそう呼ばれているかというと、彼が家中の本を切り刻んでは町中に撒き散らすからで、おかげで町には至る所に切れ端が積もり、道を歩くのも一苦労という有り様です。町の人たちは、いずれ家の本がなくなればやめるさと大きく構えていたのですが、不幸なことにキル兄にゃの家は古本屋で、切り刻む本はまだ底をつきそうになかったのでした。