2023年まで国際的な舞踏カンパニー<山海塾>舞踏手だった岩下徹は、ソロ活動では<交感(コミュニケーション)としての即興ダンス>の可能性を追求。石井満隆に即興を学び、83年ソロ活動開始。かつて精神的危機から自らのからだを再確認することで立ち直ったという経験を原点とするソロダンスは、等身大のからだひとつで立つことから始まり、場との交感から生まれる即興として踊られる。1989年より滋賀県の湖南病院精神科等でダンスセラピーの試みを、また各地で障害の有無を問わないワークショップを継続して実施中。
岩下徹×梅津和時 即興セッション
岩下徹は1989年以来、谷川俊太郎氏の「みみをすます」(福音館書店刊)という詩のタイトルをかりて、野外など劇場ではない場所で、無音の即興ソロダンスを続けてきた。豊岡演劇祭2022特別版である今公演は、梅津和時氏を共演に迎え、近畿最古の芝居小屋である出石永楽館で、「みみをすます」。この即興の場では、ダンスと音の間には何の取り決めもない。永楽館とダンス、音、観客とでつむぐ時間の中で、私達は何に「みみを