がん医療の世界で、異端であり、批判され続け、申請から45年も経ても未だに中央薬事審議会から認可の降りない「丸山ワクチン」。がん治療の最後の砦として、望みを託す患者は後を絶たない。舞台は片田舎の小さな医院。経営方針と医療方針の違う親子。この「丸山ワクチン」と二人の確執を通して現代の医療を問い、医学界のタブーを描く。内藤裕子の新作書き下ろし。