アナログスイッチ 17th situation
僕らに残された家。僕も、姉も、兄も、妹も、かつてはこの一つ屋根の下で過ごした。でも今この家に全員が揃う日なんて、よっぽど良いことがある日か、悪いことがある日だ。卒業アルバム眺めながら、姉は言う。箪笥に溢れた紙袋出しながら、兄は言う。鮭を咥えた熊抱きながら、妹は言う。この家どうする。積もる思い出に埋れながら言い争う、僕ら兄弟姉妹のお話。
その世界には、小学生しかいない。そこでは「噂」が貨幣として流通し、6年生の支配に逆らうものは死ぬ。誰もが探している。1年生でも6年生を倒す禁断の力をもたらす矛盾の宝石、赤いエメラルドを。鳴りやまない永遠の下校チャイムが鳴りやむ前に、オレはゆく。その宝石の眠る、地平線まで続く運動場の果てへ!