現実世界のつながりを絶たれた時代が終わろうとしていた。多くの人は喜んで太陽の下へと駆け出したが、"むこうのくに"に残ることを選んだ人もいた。そこは、画面を一枚隔てれば、生まれた場所や話す言葉、ヒトかどうかさえも関係ない、現実のしがらみが無効化された世界。その夏、ぼくは相変わらず画面の前に居て、"むこうのくに"へアクセスしようとしていた。行方をくらませた、"ともだち"を探すために——