昔々、山奥の小さな村に龍の子太郎と呼ばれる少年がいた。ばあ様と二人暮らしで、毎日山のけものと遊んでばかりいた。ある日笛の上手な少女あやと友だちになれて喜んで帰ってくると、ばあ様から、死んだと思っていた母が実は龍になって北の湖にいると聞かされる。そこへまた、あやがあやが赤鬼にさらわれたという知らせが。太郎はあやを助けて、母を探す旅に。人々の暮らしを見聞きする中で、母が龍になった本当の理由に気が付く
ジャーナリストの蕗子は、津軽の婆さまから聞いた昔話「鬼の目玉」が心から離れない。目玉をくりぬかれた鬼が、目玉を取り戻そうと迫ってくるというのだ。娘の誕生日に贈った「アンネの日記」から、少女のまま死んだアンネが自分と同じ年の生まれだったことを知る。アンネをアウシュビッツに閉じ込めた鬼が、目玉を取り返ししゃれこうべの世界に戻しはしないか?蕗子はアンネの隠れ家を訪ねる旅に出る。