18世紀、文豪ゲーテの書簡小説「若きウェルテルの悩み」は理性が全てに勝るという啓蒙主義を背景に恋愛の挫折と自殺という不条理を描いた。本作品はこの設定を現代の小学生に移行。成人が演ずる子供には将来の夢と思春期の未熟が同居する。秘密の共有、孤立、イジメ、性への執着。上田テルオはその姿の絶望を転校前の友人に書き送る。ロッテと呼ばれる少女が現れ、小説の執筆を勧め、テルオは魂の救済とロッテへの恋に震える。