バルニエ石鹸の社員クリスチャンは、会社の機構を見事に操って大金をつかみ、社長令嬢に求婚する。ところが彼が「社長令嬢」と思い込んだのは人違いで、本当の社長令嬢は運転手と熱い仲。しかも子供まで出来ているとあって父親のバルニエ社長は大弱り。そこへ玉の輿で男爵夫人となって家を出て行くお手伝いが、カバンを取り違えて出て行ってしまう。カバンには会社の裏金が入っていたため、バルニエ社長の困惑は絶頂に…。
祖国ソビエトに忠誠を誓う女検察官ニノチカは特命をおびて花のパリに乗り込んだ。あでやかなパリの香りに染まりつつあった先乗り三人組もささやかな贅沢は徹底的に糾弾された。彼女の崇高な理想の前には資本主義社会の常識は通用しなかった。勿論、恋や愛などは存在さえしない。とは云え処はパリ、甘い夜霧は、木石の如くき彼女の身体を、やさしく包みはじめていた…パリの街を背景に、貴族出のパリジャンとのラブロマンス。恋の鞘