八戸の劇団モレキュラ―シアターの代表作。80年代、ドイツ、ベルギーなど各国の演劇祭で絶賛を浴び、その前衛的手法で日本の演劇界に衝撃を与えた。辺境の作家フランツ・カフカが婚約者フェリーツェと交わした手紙の書簡集を素材に、カフカの書くことの狂気とその果てしない増殖、言葉に寄生した声と思考、求愛と孤絶といったカフカのサイコグラム(心象図)を濃密な不安に満ちた空間に描き、圧倒的な緊迫感と身体表現で劇化した