昭和12年大阪北浜にある布団問屋の分家、岡崎商店。店主は岡崎陽介という若者である。 ある日、陽介の妹が学校で初潮を迎えたことを男の子たちにからかわれ、不注意で道に飛び出し事故で亡くなってしまう。それを知った陽介は、生理への偏見を無くすため、生理用品の開発・販売、そして性教育の普及活動を手がける会社を興す。知人や周りの女性に生理のことを尋ねまわり、変人と言われながらも研究・開発を進めていくのだった。
響の宴
「黒塚」は歌舞伎でも演じられる演目で安達ケ原の鬼女岩手の物語であるが、歌舞伎では岩手がどうして鬼女となったのかという物語の前段は演じられていない。今回この作品では初めての演出としてその前段を噺家の桂米團治氏が語りとして口演し長唄を聴くだけでなく観客の物語への没入と理解を促すという趣向を凝らした内容となった。演奏は杵屋勝七郎、人間国宝杵屋東成をはじめとした長唄の第一線で活躍する面々によるものである。