武家政権が始まって二百年が過ぎたある時代強烈な個性と権勢欲を持つ一人の男が将軍の座に就いた。将軍は、武家棟梁の座に飽き足らず日本の頂点に立つ事を夢見た。即ち、帝の座を奪う事である。将軍には寵愛する美しい役者がいた。その名は鬼夜叉。将軍の庇護のもと、その芸の道を極めつつあった鬼夜叉は、しかしある日、将軍の野望を知る。鬼夜叉は尊皇の志厚い忠臣楠木政成の血を引く一族の末裔であった。愛する将軍か、はたまた