「わたしは、フィクションなんかに救われない」。大量消費されるフィクションを疑い、その危うさを見つめ、それでもなおフィクションをつくり続ける葛藤をテーマに、売れない小説家と周りの人間関係を描き、この物語の隙間から逃れ出ようとする“役を持たない男”がフィクションの虚構を暴き出す。東京で生まれ育ち、下町に住みながら人々の生活、息づかいを作品として紡いできた山田が、瑞々しい感性で描いた群像劇。