海に分断され、八つの陸地に分かれた“いつかの日本”。最も小さな島に住んでいた民族“バンチ”は労働力として本土へ連れてこられ、割り当てられた小さな居住区に住んでいた。それから数十年が経ち差別も偏見も薄れ、その存在自体が人々の記憶から消え始めた頃、バンチは絶滅しかかっていた。最後の子供たちは、バンチ色の眼をカラーコンタクトで隠して、今日も居住区の外を歩く。“自分の居場所はここじゃない”と感じる人たちの
幽霊達の駅・京都駅地下鉄清水線。その十二番出口にあるコインロッカーのことを、兄弟は『母』と呼んでいる。二人は十八年前、このロッカーに捨てられていた赤ん坊だった。閉鎖していく幽霊の駅を舞台に、生きる者と死んだ者の「駄々」を描く群像劇。
