長年勤めた出版社を退職し、人里離れた町で天体観測に没頭する柴本。彼はひとり静かな「人生の休暇」を望んでいたが、記憶を失った青年、父を捜す旅の女、大学時代の旧友、そして奇妙なタクシー運転手が次々に訪れ、思いがけず騒がしくなってしまう。彼らとの交流はやがて、忘れたつもりの現実や過去の痛みを揺り起こし、止まっていた柴本の日々を動かしはじめる。
『平家物語』を原作に、平清盛の五男・重衡をモデルとした叶昌景の物語を描く現代劇。宰相の息子・昌景は、謀反の疑いで流罪となった貴族の娘の処刑を命じられる。彼女は最期に母から授かった神像への祈りを願い、その姿に昌景は心を揺さぶられる。栄華の陰で一族は重い抑圧に苦しみ、昌景も望まぬ戦に心を蝕まれていた。やがて彼は、処刑した女に瓜二つの遊女と出会い、その正体と神像の謎へと迫っていく。
