変人か、偉人か? 狂人か、天才か? 志願兵として前線にいたウィトゲンシュタインが、暗号混じりの 文章で日記帳に書きつけた『論理哲学論考』の草稿、そこから浮かび上がる、軍隊生活、死との戦い、「仕 事」への責務と欲求、愛、そして自殺の誘惑。かの有名な「語り得ぬことについて人は沈黙せねばならない」 という言葉の裏に隠されたウィトゲンシュタインの真意と祈りを、戦火の東部戦線という背景が炙り出す。
夜、劇場にしのびこんだ不良カップルが眠りにつくと…亡霊たちの時間が始まる。劇場に満ちる愛の亡霊たちの秘めやかな足跡―初演時、身体的負荷の高いパフォーマンスと、密度の高い演出で評判を呼んだFUKAIPRODUCE羽衣の代表作の再演。いじましい現代人の愛の示し方を高らかに歌いあげる“妙―ジカル”。