高校を卒業後、俳優を目指して上京した佐倉めい。兄の死がきっかけで久しぶりに地元に帰り、そのまま新型コロナウイルスによって足止めをくらう日々。昼夜問わずにゲームにハマっていたら、ポップコーンを食べる謎の老人が住み着いていた−−−。「老い」と「演劇」が融合したとき、何もないと思っていた地元で、誰も見たことがない演劇が生まれる。94歳の看板俳優・岡田忠雄が、混濁する意識、ふらつく身体を駆使して、観客を虚
THE SHAMPOO HAT第21回公演
<公演チラシより>夜が酷く白かった。どこからか微かにテレビの音が聴こえる。断続的な群衆の笑い声に酷く苛立ち、キャビンマイルドに火をつけた。松屋でカレーなど食わなければ良かった。ハァハァと吐き出す息がカレー臭くて、泣くに泣けなかった。野良猫と目があった。撫でようとしたら逃げられた。ポケットから折りたたみ式のナイフを取り出した。ドンキホーテで二千円のナイフ。夜が酷く白かった。そろそろ行かなければならな