アメリカ・メイン州の風景を前に、シンプルな動きとアクションを見せる中馬芳子の初の映像作品。
兵庫県出身、大阪育ち。1976年渡米。ニューヨークを中心に1980年代のポストモダンシーンの火付け役としての地位を確立し世界に活躍の場を広げる。中馬芳子&ザ・スクール・オブ・ハードノックスを創立、芸術監督を務め、パフォーマンス・アート・グループとしてベッシー賞を複数回受賞。音楽、文学、美術といった様々なジャンルのアーテイストや文学者とコラボレーションを行ない、核心的なコレオグラファーとして活躍。
『スプリッシュ・スプラッシュ』のパフォーマーたちは、コンピューターゲーム『パックマン』のアニメーションの動きを再現しているかのように、さまざまな場面で、幻影的で、部分的に反復的な動きのパターンを見せる。素早くシュールなビジュアルイメージと象徴的な小道具は、エンターテインメント業界に対する謎めいたコメントを生み出している。1982年制作。
ニューヨークの「The Kitchen」で発表されたソロ作品をビデオカメラ用にデザインしたパフォーマンス。1982年8月制作。
1983年にニューヨークのセントマークス教会で100名のパフォーマーによって公演された作品を元に、よりそのパフォーマンスを凝縮、様々なアングルやスローモーション、モンタージュ、サウンドスケープなどを駆使し、私たちが目にする空間をはるかに超えた空間を包み込む新しい映像的コレオグラフィーを創り出した。
1982年制作。中馬芳子が取り上げるのは、アンディ・ウォーホルが口にした「名声の15分」。1980年代の論理に照らして誇張し、与えられるのは15分ではなくたったの10秒である。その中で様々な主人公達があの手この手で自分や個人的に手本とする人を売り出す。肥大化する資本主義の広告戦略への言及に、批判と皮肉が入り混じる。