牧原は映画とインスタレーションを軸に、視覚と手話を中心とする人たちの身体感覚の視点から作品制作に取り組む。根底に共通しているコンセプトは人間の肉体と空間が醸し出す雄弁さと、その背後に存在する目に見えない抑圧の存在である。その作品から生まれる現象を可視化する装置を提供することで、私たちの共通性と相違性を探り続けるとともにこの世界の社会構造を浮かび上がらせる試みを行っている。
代表作品にろう者コミュニティにあるオンガクを概念化し、音楽の定義を問うた《L I ST E N リッスン》(共同作品)、ろう者、難聴者、聴者の様々な俳優の身体の個別性と普遍性を視覚で捉える《田中家》など。近年は舞台演出も行うなど、活動の幅を広げている。