愛媛を中心に2004年から活動。劇場に拘らず、JR下灘駅、倉庫、映画館、議会場などで上演。また舞台作品の映画化や地元ローカル局のテレビ、ラジオドラマに出演し、劇団員は会社員、大学教授、経営者、小学生など様々だがローカルで満席となる公演を継続。一つの作品にじっくり時間をかけて作り上げ、忖度のない自由な表現を目指すアマチュアだから出来る演劇作品を上演。代表の桝形浩人は若手演出家コンクール2021優秀賞、せんだい短編戯曲賞第7回、第9回最終候補に選ばれる。
アキはなぜコンクリートに囲まれた三角公園でテント生活をしているのか? 昭和51年アキの母、芳恵は十円易者「村上桂山」に出会っていた。苦労しながらも桂山の言葉に支えられ成長し母となった芳恵は「悩は財なり、貧は友なり、狂は師なり」と書かれたノート娘のアキに託してこの世を去る。昭和の松山に実在した十円易者が遺した言葉の数々が令和の現代に発動し、世を惑わす。昭和と令和、松山と神戸を舞台に物語は動いてゆく。
窯元の煙突が立つ小さな街を見下ろす丘にある特別養護老人ホーム「桜花荘」その庭には樹齢80年の桜があった。長い間、人々の愚痴をひたすら聞き続けた桜の古木に「桜花荘」の住人久恵は自身を投影する。やがて言葉を発することが出来なくなった久恵は桜と同じように人々の愚痴を聞き続け、昔の流行歌と消息の分からぬ息子の記憶ばかりとなってしまう。辛うじて今年も桜の花を見ることが出来た久恵は、女たちから聞く男への愚痴を