沖縄県民の暮らしに寄り添い育まれた琉球歌劇。ノーベル文学賞作家・川端康成も感動したと文献にある。明治以降に誕生しその歴史は130年以上。命とされる歌、台詞も庶民生活で使われた「しまくとぅば」(うちなーぐち)ふるさと沖縄の言葉を用いる。三線音楽にのせ、描かれるその物語は【志情・慈しむ心】で溢れている。
沖縄三大悲劇の一つ。身分制度のある時代、父親の身勝手な振る舞いに翻弄される家族!決して一緒になれない二人、やがて生まれた息子、狙われる命、大事な人を想うがゆえに…。数奇な運命によって離れ離れになった母子の切なくも儚い物語。
2019年度沖縄県伝統芸能公演移動かりゆし公演 琉球歌劇まつり名作歌劇
久茂地村の阿嘉の嫡子・樽金(たるがに)は、泊村の伊佐殿内の一人娘・思鶴(うみちる)に一目惚れします。樽金は思鶴の家近くの泊高橋に九十九夜通いつめ、ついにその思いを遂げます。しかし、樽金の父親は息子の将来を心配し樽金を伊平屋島勤めへと旅立たせます。一方、樽金に会えない思鶴は恋の病で息をひきとります。また、思鶴の死を知ることとなった樽金も絶望から思鶴の墓前で息絶えます。