1990年11月、アートシアター新宿での「金魚のおひるね」で、千葉雅子、中村まこと、森田ガンツ、市川しんぺーらが劇団猫のホテルを創立。
以後、佐藤真弓、池田鉄洋(2012年退団)村上航、いけだしん(2019年退団)、菅原永二(2011年退団)岩本靖輝らが加入する。作・演出は千葉雅子が担い、役者達が競うように絶え間ない即興稽古を重ね、劇団総掛かりで新作を創り続ける。アゴラ劇場、ザ・スズナリ、シアタートラム、本多劇場と小劇場のメッカともいわれる空間でおもに活動。
一揆が勃興する室町時代から戦国、江戸、明治、大正、昭和、平成まで、500年の時代をかける大河物語。一揆に立ち上がり権力に抗うも、宿命に弄ばれてゆく男とその子孫の悲哀に満ちた苦労の日々をダイナミックに描く。1997年こまばアゴラ劇場での初演から、2000年ザ・スズナリ、2007年シアタートラム、2016年すみだパークスタジオ倉と再演を重ねた人気作。本作は2007年のシアタートラム版。
古い週刊誌のモノクロページに残る若かりし頃の母。夫婦漫才師の家で家政婦として住み込み、浮き草稼業の芸人たちに囲まれて微笑む女の姿は、失踪を重ねた行方知らずの母親を探す異父兄弟にとって、たった一つの手がかりだった。根無し草の様に忽然と姿を消さざるを得ない母の人生を辿る息子たちが母に恋した瞬間、人生がシンクロする。心の傷を隠しつつも、気楽に生きようともがく人間の家族のあり様を問う物語。