彩の国さいたま芸術劇場において、故・蜷川幸雄が芸術監督就任時に、「年齢を重ねた人々が、その個人史をベースに、身体表現という方法によって新しい自分に出会う場を提供する」ための集団作りを提案した。2006年4月、1,200名を超える応募者の中からオーディションで選ばれた55歳以上の48名で発足。2007年6月の第1回公演『船上のピクニック』(作:岩松了)以降、気鋭の現代劇作家による書き下ろし作品など公演を重ね、海外公演も経験し国内外から注目された。しかし、平均年齢80歳を超えるメンバーの高齢化とコロナ禍の活動の困難さから2021年7月、年内での活動終了を発表。12月の『水の駅』を最終公演として15年の活動を終えた。
さいたまゴールド・シアター第7回公演
舞台は、東日本大震災から6年が経った福島。避難指示区域では、イノシシが我がもの顔に出没するようになっていた。添田家では、ある日長男の学がイノシシに襲われた。それを助けたのが復興本社に勤めるハタヤマ。学の父・添田良二はハタヤマに感謝したいと家に招き、ハタヤマの固辞にもかかわらず、妻のパエリアをご馳走することに拘る。一方、線路が見える丘の上には、毎日、若い男がやってきていた。線路も駅も流されたあの日、
さいたまゴールド・シアター第5回公演
基地の中に一軒の家があった。その家には、神のお告げを聞くことが出来る“ミラ”と呼ばれる老女と、若い姉妹が住んでいた。ある日、基地のフェンスに沿って島を南北に貫く国道、通称「ルート99」で島の名菓がバラまかれるという事件が起こる。翌日警察は商品を港へ運んでいたトラックの運転手を逮捕する。と同時に一人の映写技師が消息を絶つ。基地内の映画館で働くそのタチバナという若い男は、ミラの家で暮らす姉と密通してい
さいたまゴールド・シアター第4回公演
近未来。安楽死法が施行された日本では、老人は延命医療よりも「最適な死」「りっぱな最期」をのぞむように求められていた。エコロジーという名の下に排除され、それぞれの場所で追いつめられていく老人たち――。そんな時、ある老人ホームでかつてのアイドル歌手の死亡が報じられると同時に、その死には不審な点が多いことがわかった。元ファンクラブのメンバーたちは彼女の入所していた老人ホームに乗り込み、謝罪を要求するにと