鯨椅子projectは「奈良」の観客に上質の芸術を鑑賞してもらう事を通じて、「奈良」の文化レベルを向上させることを目的としています。奈良県内の古民家や文化財建築物での演劇公演や他ジャンルの芸術イベントの制作協力を行っています。
荷降ろしの手伝いのため駆り出された拓海は、藍染工房と金魚の展示がある町屋で父のトラックを待っていた。そんな拓海をよそにイベント会社の従業員たちは、自治体から依頼された町おこしのため謎解きゲームの企画を考えるが、いまひとつ良いアイデアは浮かばない。話題はあちこちに転じ続け、居合わせた拓海も次第に打ち合わせに巻き込まれてゆく。僅かな沈黙の後、拓海はつぶやいた。「ねえ、金魚ってなんのためにいると思う?」