自然の森と、人工的な宮廷とを今日的な視点で風刺をこめて対比させ、森の中でくりひろげられる恋人たちのジグソーパズルを、歌と踊りを交えておおらかに描き出す。劇団俳優座が1978年に初演し、全国各地で感動と絶賛の嵐を呼んだ、オールメイルプロダクション(すべての役を男優だけで演じる)の傑作が、装いも新たにダイナミックによみがえります。
これは夢遊の物語。彼女らは日本の中国侵略政策の犠牲となり、かつて”満州”と呼ばれた地に送り込まれ、敗戦後四十七年を捨て置かれた激動昭和の落し子である。その残像の中に去来する一人一人の影と呟き合い、罵り合う慚愧と悔恨の綴れ織である。日本および日本人を深くえぐり、人間の暗部をあらわにして喜劇的側面を描出するに得意な藤田傳の劇団俳優座に初めての書き下ろし作品。
時は戦国。極楽島の海賊たちは、潮の渦巻く瀬戸内海の水先案内人として、ささやかだが自由な暮らしを送っていた。しかし、天下統一を目指す秀吉は、極楽島を瀬戸内海の要塞にしようと、明け渡しを命じてくる。全てを島民の合議(話し合い)によって決めてきた極楽島は、秀吉の配下になる事を拒み、戦う覚悟を決めた。秀吉方は刺客の伝二郎を送りこむが、彼は島の住人の海のように自由で広い心に次第に惹かれ始め、極楽島を救いたい
昔々、山奥の小さな村に龍の子太郎と呼ばれる少年がいた。ばあ様と二人暮らしで、毎日山のけものと遊んでばかりいた。ある日笛の上手な少女あやと友だちになれて喜んで帰ってくると、ばあ様から、死んだと思っていた母が実は龍になって北の湖にいると聞かされる。そこへまた、あやがあやが赤鬼にさらわれたという知らせが。太郎はあやを助けて、母を探す旅に。人々の暮らしを見聞きする中で、母が龍になった本当の理由に気が付く
第二次大戦後、大陸で敗戦を迎えた多くの日本人が、シベリアに抑留された。最初の冬、多くの人々がその厳しい冬を越えられず、帰らぬ人となった。ひたすら”帰還(ダモイ)”を待ち続け、その日を信じて生き延びようとする人々。そんな中でも日本人とロシア人との心温まる交流もあった・・・