届かなった、あのマウンドにー少年たちの生きた夏1944年―戦況が深刻化し、敵国の競技である野球は弾圧され甲子園は中止されていた。甲子園への夢を捨てきれず予科練に入隊した少年たちは、「最後の一日」に、出身校同士で、紅白戦を行う―甲子園優勝候補と呼ばれた強豪・伏ヶ丘商業学校。実力は未知だが有力と思われる会沢商業学校。野球への憧れ、強い仲間への憧れ―「憧れ」を通して、人が生きていく力、「生きたい」という
ある地方都市。「北原むつ美」が、訪ねてきた「串間ひさ子」に思い出の写真を見せつつ、夫の自慢話をしている。むつ美の夫は福島第一原発の元作業員で、既に亡くなっている。明日はその四十九日にあたる。訪ねてきたひさ子の夫は、今なお原発で廃炉に向けて過酷な仕事に従事する現役の作業員。そこにむつ美の義理の妹「泊川小春」が金を無心しに来る。やがて3人の女たちの話から、原発の廃炉作業に従事する作業員たちの理不尽な日