根津の清水谷に住む、浪人者の萩原新三郎。二十一才ながらいまだ独身のやもめぐらし。二月のある日、ふとしたことで横川べりの寮に住む、飯島平左衛門の娘お露としりあう。その後二人は会う瀬もなかなかとれなかった。月日も流れ、お盆も近づいたある日、下男の伴蔵がのぞいた新三郎の部屋には、牡丹燈籠の灯も怪しく美しいお露の姿がー。