あるとき鶏がささやいた。そのままでいいのか。お前はコントロールする側じゃないか。支配する喜びを知れ。だがなにも実現できなかった。またあるとき牛がいなないた。そのままでいいじゃないか。大きいからこそできることがある。実現できる喜びを知れ。だがコントロール不能だった。中国は言う。鶏口なるも牛後となるなかれ。日本はどうだ?“起業”をテーマにパラレルワールドに描く2つの物語。はたらくすべてのひとたちへ。
【あらすじ】昭和49年、田中角栄は総理大臣を辞任、意気消沈しているところにロッキード事件が襲い、自民党を離党するもなおも裏で権力を操る院政時代が続く。若手の芽が摘まれることに業を煮やした竹下、金丸、小沢が一念発起、田中を裏切る。田中はショックで倒れ、歩くこともままならなくなる。それでも田中の復活を信じる新潟県民はトップ当選というエールを送るのだったが、巨星が堕ちる時は刻々と迫っていた。
出世を目指す男たちの物語。計略、嫉妬、世辞、卑屈、憎悪が渦巻く。この巨大な渦はどんな想いも飲み込むのだ。鉄は国家なり。文明の母なり。産業の米と言われていた時代があった。小人は合従連衡を繰り返し、巨人へと変貌。その巨人をもっと強く逞しく大きくするために。今日も私たちは胃に穴をあけながら働く。学閥、派閥、閨閥、そんな閥と罰の世界。なぜ私たちはここで上を目指すのか。それはそこにすごいものがあるからだ。た
戦後復興の立役者と言われる吉田茂。戦後混乱の中、強烈なワンマンリーダーシップで政界を率いた第45代内閣総理大臣吉田茂は、GHQとの交渉で成立させた日本国憲法公布時の首相である。そんな吉田を通して「憲法とは」「天皇とは」「戦後とは」を問いかける。「闇の将軍」三部作に次ぐ新しい政争劇をここに。