東野祥子というひとりのダンサーと、3人の毎公演違う音楽家(灰野敬二、中原昌也、カジワラトシオ)によるコレスポンダンス的な実験的舞台作品。ダンスはあらかじめ設定した状況下において、身振りに還元されたさまざまな精神的機能を通過し軌跡となっていく。毎回顔を変え、新しい感覚が芽生え、偶然と必然が同居し、そこにある以上の世界が表出される。初演後、アメリカツアーにて好評を得る。
BABY-Qは、身体から織り成される感情の起伏や衝動、個々の人間の本質をダンスの根底に置いて活動する。シーンにあわせた電子音楽や、ダンスとシンクロするダイナミックな映像表現など、様々なモチーフを組み合わせることでコラージュ的に空間を構築していくのが特徴。リゾーム的な「M」につけられたキャッチは、「わたしは何を欲望するのか? そこには、多くの異質で潜勢的な矛盾しあう諸関係が存在する」というもの。妥協