『明日』は1945年8月8日の長崎市のある家族の一日を描いている。戦争は緊迫の度を増す。そんな中でも無辜の民は生きる。青春の息吹き、結婚、そして子の誕生と、この一家の営みはたんたんと続いていく。8月9日未明、嫁ぎ先の長女は苦しみのあと長男を生む。あふれる喜びにつつまれる。が数時間後、午前11時2分、原爆が投下される。私達はその子の運命を知らない。