夢の中に出てきそうなどこかの街の片隅に、蝶を入れたガラスケースを磨きながらひっそりと暮らす美しい女性「あげは」がいる。あげはと流れ者の青年「ヒカル」との恋物語を軸に、多様な人間模様が展開する。男は帰るべき場所を求め、女はひたすら帰らぬ男を待つのだった。
人魚たちがやってくる。東のはずれにまず最初に訪れたのは人魚たちだった。桜散る赤い欄干のそばで買った樟脳船は動こうとはせず、ただ浮かんでいるだけでした。そして、忘れたはずの街が桶の底に浮かびあがってくるのです。あの街が好きだった砂浜にうちよせられ、肩をあわせる流木のようなあの街の人々が好きだったさよなら、ウチウミさよなら、懐かしい思い出たちさよなら、僕の少年時代
風琴工房の詩森ろば新作書下ろし・演出でSpace早稲田2016演劇フェスティバルでロングラン上演、1599人余を動員した大ヒット作。1972年、沖縄返還でオキナワは揺れていた。政治、裏社会、すべてが交錯し、火花を散らす。沖縄「裏社会」に蠢く若者と当時の佐藤政権の返還交渉を軸に核密約、日本の問題の縮図を暴き出す意欲作となった。五島三四郎が若いヤクザ、流山児祥が佐藤首相を演じ、杉山至が初めて美術を担当
流山児★事務所創立35周年記念公演の第3弾として、2020年2月、スズナリで上演された詩森ろば(serial number)の新作書き下ろし。1974年の北海道白老町長刺殺事件と1669年「シャクシャインの戦い」を交錯させアイヌ民族の差別と闘争を骨太に描いた物語。多くのメディアで取り上げられ、劇評でも高く評価された。美術:杉山至、音楽・生演奏は第27回読売演劇大賞優秀スタッフ賞の鈴木光介、主演は田