福島三部作 第三部
2011年3月11日、東北全体を襲った震災は巨大津波を引き起こし、福島原発をメルトダウンに追い込んだ。その年末、<孝>と<忠>の弟にあたる<穂積 真>は、地元テレビ局の報道局長として特番製作を指揮していたが、各市町村ごとに全く異なる震災の悲鳴が舞い込み続け、現場には混乱が生じていた。真実を伝えることがマスコミの使命か? ならば今、伝えるべき真実とは一体何か? 被災者の数だけ存在する「真実」を前に、
1700人以上の応募者から、野田秀樹がオーディションで選んだ「東京演劇道場」のメンバーらが初見参!演じるは、「赤鬼」。移民、国境、社会の分断…今の社会が抱える問題をいち早く描き、1996年の初演以降、日本、イギリス、タイ、韓国で野田が各国の俳優と共に作り上げてきたマスターピースを野田自身の演出により16年ぶりに日本で上演する!
都会から遠く離れた山里にある、名もない湯治宿にやって来た人形師の親子。父親の方は身の丈が三尺ほどしかない小人症の老人で、息子は表情がなく仮面のような顔をしている。ふたりは上演依頼の手紙を貰ってこの宿に来たが、地元の湯治客に訊いても、ここは無人宿で、そんな手紙を出す者などいないと言う。依頼主不明のまま、帰る手段がなくなり、仕方なく一泊することに。風変りな親子と湯治客らの奇妙な一夜がゆっくりと過ぎてゆ