演劇計画Ⅱ-戯曲創作- 柳沼昭徳 作・演出
彼は闇の中、その者たちと共に高みに向かった。標高なのか、名誉なのか、精神なのか、そこに待っている高みがどのような類のものなのか、彼自身興味は失せていた。立ち止まり、黙々と進む人々の行列を眺め、感慨深くため息をついた。そしてかつての孤独と不安に思いをはせて、実は、この連帯こそが達すべき目的だったのかもしれない、そんな気分にもなった。けれど、体の震えも止まなければ、たずさえた骨も鳴きつづけていた。空が
あなたに、私を好きなまま死んで欲しいと思うのは、わがままだろうか。そこは、願えば誰でも不老不死になれる未来。それでもヒラサカ ミツは、不老不死になるつもりはなかった。彼女にとって生きることは苦痛であり、終わりのない生は地獄だと感じていたからだ。そして、パートナーであるタチバナ アサの愛情が、いつか冷めるであろうことに耐えられそうになかったからでもある。訪れるいくつかの出会いと別れを経て、ミツは、人