沖縄三大悲劇の一つ。身分制度のある時代、父親の身勝手な振る舞いに翻弄される家族!決して一緒になれない二人、やがて生まれた息子、狙われる命、大事な人を想うがゆえに…。数奇な運命によって離れ離れになった母子の切なくも儚い物語。
2019年度沖縄県伝統芸能公演移動かりゆし公演 琉球歌劇まつり名作歌劇
久茂地村の阿嘉の嫡子・樽金(たるがに)は、泊村の伊佐殿内の一人娘・思鶴(うみちる)に一目惚れします。樽金は思鶴の家近くの泊高橋に九十九夜通いつめ、ついにその思いを遂げます。しかし、樽金の父親は息子の将来を心配し樽金を伊平屋島勤めへと旅立たせます。一方、樽金に会えない思鶴は恋の病で息をひきとります。また、思鶴の死を知ることとなった樽金も絶望から思鶴の墓前で息絶えます。
華麗な音楽・唱え・舞踊の斬新な組み合わせによる歌舞劇「組踊」は、300年ほど前、清の冊封使を迎える饗宴のために、琉球王国の役人・踊奉行(芸能の最高責任者)であった玉城朝薫によって生み出されました。この「組踊」の誕生秘話を、沖縄初の芥川賞作家 大城立裕の「花の碑」を原作とした沖縄言葉による朗読劇に仕立てました。今なお大切に上演されている〈朝薫の五番〉の中から、組踊「執心鐘入」「二童敵射」と合わせてお