瀬戸内海に浮かぶ小島に突然巨大な橋がかかる。あまりに巨大すぎたため島民たちは気づかないのか、以前とあまり変わることなく暮らしている。そこに兄弟がいる。母の死を受けて、兄弟のうち一人は変わろうとしている。一人は何もしない。同僚の音楽教師に淡い気持を抱えているにもかかわらず。音楽教師は島の外からやってきた。生まれてこのかた一度も泳いだことはないが水着を一つ持っている。いつそれを着るのかという問題。
女は新しく家庭教師として住み込みで雇われて二週間になる。雇い主も教え子も女をいつまでたっても「新しい先生」と呼び、名前を覚えてくれない。そのうえ、夜になると女の部屋に以前の家庭教師らしき女が現れ、雇い主との情事をはじめることがある。部屋の権利を主張するも、声が届かないのかなにも反応がない。朝になると以前の家庭教師は消えており、雇い主に問いただすもまるで覚えがないという……
女は長崎県佐世保市で結婚をし、夫と二人で暮らしていたが、夫の同僚との不倫が原因で、夫と別れ、その同僚の男と広島県福山市で暮らすようになった。しかしその生活もうまくいかず、単身四国の坂出市へと逃れて来たのだった。 六年後、そのアパートに夫が現れる。女は夫の訪問に驚くが、夫が死期の迫った身であることを知り、とりとめもない世間話を始めるのだった。しかし男の来訪は、女の妄想かもしれないのだった。
青年団プロデュース公演
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伝説の舞台が32年ぶりに蘇る!言葉の錬金術師寺山修司の愛と死の物語。白井晃新演出で、新たな物語へ・・・。21世紀版「中国の不思議な役人」、ここにあらたな純愛の物語が誕生する。
一人の女をめぐり、男二人が命を懸けて闘う、愚かしいほどの愛と衝動今の時代に圧倒的に足りない、“生身の人間の熱量”を舞台上から浴びることができる、情熱的な演劇作品。 本作はスペインの伝説的劇作家、フェデリコ・ガルシーア・ロルカによる官能的な名作悲劇である。実際に起きた事件を元に1932年に執筆され、翌年にロルカ自身の演出によりスペインで初演、同年にアルゼンチンでも上演された、ロルカの3大悲劇の 1