一人の女をめぐり、男二人が命を懸けて闘う、愚かしいほどの愛と衝動今の時代に圧倒的に足りない、“生身の人間の熱量”を舞台上から浴びることができる、情熱的な演劇作品。
本作はスペインの伝説的劇作家、フェデリコ・ガルシーア・ロルカによる官能的な名作悲劇である。実際に起きた事件を元に1932年に執筆され、翌年にロルカ自身の演出によりスペインで初演、同年にアルゼンチンでも上演された、ロルカの3大悲劇の 1 作。 舞台はスペインのアンダルシア地方。婚約した一組の若い男女が互いの家族の期待を背負いながら結婚式を迎えようとする姿、そしてそこに現れた花嫁の昔の恋人がすべてを変えてしまう抑えきれない愛を描く。数奇な血の宿命、言葉では説明のつかない愛と衝動、地の因習に縛られた男たちの闘い女たちの戦い・・・絡み合う事象が、ドラマを生んでいく。今の時代に圧倒的に足りない、“生身の人間のむき出しの熱情”を舞台上から浴びることができる、情熱的な演劇作品だ。
本作の演出は、国内外の戯曲だけでなく歌舞伎の演出も手掛けるなど、演劇界から熱い注目を浴びる気鋭の演出家、杉原邦生。
また今回の上演のために、スペイン演劇の翻訳を多数手がけてきた田尻陽一氏が新たに翻訳し 2 022 年版の上演台本を完成させる。スペイン最高の詩人とも謳われたロルカがこの戯曲の随所に組み込んだ韻文、詩的な言葉をどのように表現するかも見どころの一つ。杉原はここに音楽を融合させた表現も取り込んでいく。
当時は決して許されない同性愛者であったと言われるロルカが描く、「男らしさ、女らしさ」に縛られた人々の悲劇は、自らの自由と権利を発信していく時代へと変化の真っ只中にある今の私たちに、新鮮な発見をくれるだろう。杉原の感度の高い美意識と大胆な演出、そして繊細な人物解釈により創りあげられる、新たな「血の婚礼」となる。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
事前予約フォームより予約の上、ご来館ください。
有料オンデマンド配信。事前に会員登録が必要です。
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