小学校教師である行介は、芸者の世界に耐え兼ね逃げてきた貧しい教え子、きぬ子に同情し結婚する。楽しい結婚生活を送っていたが、柳沼涼太郎という医学生が現れ、置手紙を残し家を出て行ったきぬ子。それが、きぬ子の幸せになるならと思いもした行介であったが…。
近代劇の父イプセンの代表作である「人形の家」。新時代の女性解放の問題作として、多くの論議をわかし世界各国で上演され続けてきた。本作品では、単に人形扱いされて家出するノーラという今までの舞台とちがった千田是也の新しい演出による、人間性開放のノーラのドラマをお贈りいたします。