折田克子が演出・振付し、泉勝志のダイナミックな構成力とナイーブな細部を見事に引き出している。肉体に共棲する基督と猶太の混沌を最も深刻に自覚する舞踊家、泉勝志にとってこの世紀末に訪れた凪いだ時代は、逆説的にふさわしい。孤高の存在として饗宴を主幹し、舞台で風を切り駆走しなければならない真の悲惨が予定されている。饗宴は招集されたばかりである。
マクベスは夢を見る。栄光と権威、王冠の夢を。しかしそれは引き返せない悪夢だった。そしてその王冠に手をかけたときから、坂道を転がるように、破滅への道を一直線に突き進む。
何日君再来
品行方正児童会第8回公演。フェスティバルのテーマである「ガリバー旅行記」を異空間と捉え、詩人・高村光太郎と母を探す少年の出会い、曖昧屋の人々とその客の家庭、町を渡り歩くサーカスの母娘などの情景を描く。特徴ある円形劇場の舞台を素のままで使用し、持ち込まれる道具と音響効果のみで場面を演出、時に客席通路まで俳優を配して観客それぞれを取り囲む異空間を仕立てた。
メルヘンと詩。シュールとエロチシズムと犯罪の少女歌劇。寺山修司の〈幻想音楽劇〉が佐藤信+宇崎竜童+流山児祥の黄金トリオで甦る!小劇場演劇界の最前線を疾走するトップスタアの競演、熱狂のバトル・ロイヤル!!寺山修司七回忌追悼公演。寺山修司が魔術的幻想音楽劇と名付けた『青ひげ公の城』はペローやグリムの童話などで知られる、次々と花嫁を娶っては殺害した青ひげ伝説がモチーフ。そこは今、まさに『青ひげ公の城』と