時代は現代、場所は砂漠。『砂漠監視隊』の7名の男性監視員が砂をみつめるだけの日々を過ごしている。他には何も起こらない。そんな中、遠くから聞こえるかすかな声。その声を聞いた者は砂の向こうに姿を消していく。たいていが帰ってこない。帰ってきた者も、その間の記憶が消えている。残された者は恐れ慄く。自分たちもいつか、あの声を聞くかもしれないと。
QoiQoi第4回本公演。アーツカウンシル東京単年助成カテゴリーⅠ採択。オリジナル作品を書き下ろし、外部の新たなキャスト・スタッフと共に作り上げた挑戦作。劇場は語らない。笑い。涙。歓喜の拍手。多くの人々をただひたすら見てきた。劇場は思い出す。繰り返してきた人々の営みを。観客の眼差し、キャストの汗。スタッフの真剣な横顔。劇場は語らない。劇場は覚えていた。劇場は全て覚えていた。
QoiQoi第3回本公演、文化庁AFF2採択。2020年から続けている福島県でのリサーチをもとに、家族の心のつながりを描いた意欲作。あらすじ今から遠い遠い未来の話。父親の死がきっかけで、10年ぶりに実家に帰ってきた長男、与人。与人の帰りをよく思っていない弟、愛生。2人を見守る母、聡子。あの時の事故で壊れた家族の歯車が、再び前に進み出す。