時は明和年間、谷中笠森稲荷の境内に構える茶店鍵屋にお仙が現れた。その美貌に目をつけた大田直次郎は、師鈴木春信に描かせ、錦絵で持って江戸にお仙ブームを起こそうと試みる。一方、浅草寺にお仙と並ぶ美貌、楊枝屋看板娘のお藤がいた。江戸の男それぞれがお藤に思いをよせる。お仙、お藤には過去、何が起こっていたのか?浮世絵に隠された謎は?過去を唯一知る、むささび五兵衛は二人の娘を静かに見守る。やがて過去の事実が明