時折、激しい吹雪が吹き荒れる真冬の札幌。終電頃、「西線11条」の電停。東京から仕事で札幌に来たばかりの男が、道路の真ん中にある市電の停車場で、ススキノに向かうために電車を待っていると、そこに一人、また一人、電車を待つ人たちが現れる。現れた人たちは、そこで炊飯器にお米と水を入れ、ご飯を炊き始め、やがて炊飯器からは、仄かに白い湯気が立ち昇る。実在する市電の停車場「西線11条」で、本当にあったかもしれな
雪解けを迎える早春の札幌。中島公園の菖蒲池にある浮き島に期間限定で出現するホテルの特別室。そこに宿泊することになった叔母と姪が、風変わりなサービスに戸惑いつつも、心を通わせていく物語。生まれた土地で生活することの豊かさと、静かな日常を描いた作品。劇中曲は全てチェロとピアノの生演奏で、ショパンやチャイコフスキーなどの有名ノクターンのほか、斎藤歩が作曲・編曲したオリジナル曲で構成。