『私』はどこまでが『私』なのだろう。抜けた髪の毛は『私』ではないのだろうか。種は、いつその親樹の一部ではなくなるのだろう。つぎ木をされた樹木は自分を一本の樹だと思って空を目指して伸びていくんだろうか。まっすぐに空を目指す樹。おそらく自分の都合だけでどこまでも伸びていく。だけども彼の都合で出来た木陰は、私を優しく守る。そんなことを考えるうちに私は深いネムリに落ちていた。【私はあなたのすべても、どの一