「母親が癌だった……」語り手が唐突に話し出す。場所はどこなのかはわからないが、職場やバイト先のような目的をもって強制的に集められる場所。語り手、ならびに聞き手たちはそこによく集まるメンバーで、仕事終りの、目的を果たした後のような時間をそこで過ごしている。語り手の話を真剣に聞こうとしながらも、徐々に聞き手たちの頭の中はズレていく。育ってきた環境もこれまでの経験もみんな違う。自分の想像で話の余白を埋め
劇作家・松井周氏によって高齢者演劇集団さいたまゴールド・シアターに書き下ろされ、2010年に故・蜷川幸雄氏演出により初演されました『聖地』。それから10年以上の時を経て新たな『終点 まさゆめ』が誕生します。今作では、松井氏とともに介護×演劇の第一人者でもある菅原直樹氏が新たに加わりクリエイションを行い、彼らに縁のある岡山・三重・埼玉の3つの劇場にて上演します。