「ママなんか大キライ! あたし家出する。」ムジツノツミで叱られたさくら子は、家を飛び出し駅へ向かった。駅に入っていきたのは「いえでででんしゃだった」。家出した子はただで乗れると聞いて、さくら子は飛び乗った。「いえでででんしゃ」とともに、さくら子の不思議な旅が始まる―。
少し先の未来。戦争と除染で男性を見かけることのなくなった世界。郊外でささやかに共同生活をする女性たち。彼女たちは5人一組で仕事をし、家事を負担し合い、家族のように暮らしている。ある日、街の病院で暮らすメンバーの妹が彼女たちを訪れる。この日起こった小さな出来事は、脆弱な世界を受け入れようと沈黙していた女性たちの不満と不安を次第に露見させてゆく。
遊劇体・キタモトマサヤの代表作『闇光る』から連なる、架空の町ツダを舞台に日本人を定点観測し続ける連作〈ツダ・シリーズ〉第9作。大学4年生の私は、なんとなく教員を目指していたのだが、今は教員になんてなる自信がない。役場勤めの父、専業主婦の母、歯科医と婚約が成立したばかりの姉の4人の家。私の飼っていたジュウシマツが蛇の餌食になったその日、行方不明だった伯父さんが突然現れた。伯父さんは、かつて学生運動を
