主婦2 私が言ったのと取りかえる……? ロープでしめ殺したのと……。主婦3 あら、あなた、朝のコーヒーに農薬を入れたんじゃなかった……?主婦2 やめたのよ、それは……。 (主婦1に)言ったじゃない、あれだと体験感が残らないって……。主婦1 そうだった……?主婦2 ロープの場合はね、敵の首にまいて、グッと引っぱった時に、この手の中に、 ギュッて手応えが残るわ……。後になってその時のことを
平成14年度文化庁新進芸術家海外研修制度の研修員として、シンガポールの演劇学校「TTRP」でアジアの総合演劇を学んだ成田独歩の演出公演。シンガポールを代表する劇作家フジール・スライマンの作品の日本初演。医療・バイオテクノロジー分野で最先端をゆくシンガポールの近未来を舞台に、自分とは?生きるとは?愛とは? 人間が生きていく上での重要なテーマを観客に問いかける。裕福な未亡人、キャサリン・リー・ある日、
がん医療の世界で、異端であり、批判され続け、申請から45年も経ても未だに中央薬事審議会から認可の降りない「丸山ワクチン」。がん治療の最後の砦として、望みを託す患者は後を絶たない。舞台は片田舎の小さな医院。経営方針と医療方針の違う親子。この「丸山ワクチン」と二人の確執を通して現代の医療を問い、医学界のタブーを描く。内藤裕子の新作書き下ろし。
如月小春さんの訃報が、2000年12月にニューヨーク滞在中の羊屋白玉に届いた。その後、小春さんの『DOLL』再演の依頼があり、初演から20年、『DOLL』は指輪ホテルの『情熱』となって蘇った。昭和58年に海に消えた少女たちが、平成15年、ビルの屋上のテニスコートに舞い降りた。女子高生の自殺を扱った作品『DOLL』。小春さんが遠投した「少女たちの死のゆくへ」を受け止め、「生の感触」として、さらに遠く
東京都のゴミ収集袋に指定がなく,中身の見えない黒いゴミ袋が全盛だった1990年。うち捨てられた失踪中の弁護士、ゴミ収集を生業とする者たち、夜ごと集まり「パパ」と呼ばれる初老の男にゴミを届ける娘たち、娘を探す夫婦・・・ビルの谷間の高架下で出会った孤独な魂が、救済の雪を待望する。同時に「不特定多数の娘を持った『リア王』の物語」として、フェミニズム問題をも視座に入れたシェイクスピア作品への新解釈を示す。