主婦2 私が言ったのと取りかえる……? ロープでしめ殺したのと……。
主婦3 あら、あなた、朝のコーヒーに農薬を入れたんじゃなかった……?
主婦2 やめたのよ、それは……。
(主婦1に)言ったじゃない、あれだと体験感が残らないって……。
主婦1 そうだった……?
主婦2 ロープの場合はね、敵の首にまいて、グッと引っぱった時に、この手の中に、
ギュッて手応えが残るわ……。後になってその時のことを思い出したい時も、
座布団にロープをまいて引っぱれば、ああ、こんな風だったわって……。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団創立から85年を超える老舗劇団。日本の創作劇、和物、海外戯曲と幅広く上演。
<あらすじ> 1886年(明治19年)、東京・麻布鳥居坂の白河義晃子爵邸。当主の白河義晃は急速に西洋化する日本になじめず、酒浸りの日々を送っていた。ある日、外務卿・井上馨の書生と白河家の家令雛田源右衛門の間に一悶着が起きた。雛田は時代遅れのちょん髷をからかわれたばかりか、因循姑息な白河子爵は華族の資格なしと罵倒されたのである。それを聞いた義晃は怒り心頭に発し、これまた時代遅れの討ち入りを決意。しか
舅と嫁。そして短大へ通う娘、時折北海道から帰ってくる大学生の息子。東京の何処にでもあるたたずまいの家庭。嫁の佐和子は夫を過労死で亡くし、それに続いて姑も病死する。佐和子はこの家にとどまり舅の宗一と十数年をこの家で暮し続けてきた。佐和子は宗一の老後や子供たちのことを考え、家の建て替えを決意する。そこへ、宗一の実の娘が海外生活を終え、夫と帰国する。そして二人はこの土地に新たに家を建て、宗一と共に住むと
-
文学座創立55周年記念
昭和のはじめ、東京下町、袋物製造販売業「近常」の細工場。職人たちが電燈の下、とりとめない会話をかわしながら夜なべをしている。奥では年季明けの職人を祝う赤飯が炊かれ、肴や白味噌の椀の仕度がされている。十年の年季奉公のあと、この日一人前の印電師(高級ななめし皮を扱う職人)の門出を迎える秀太郎。職場を変える夫に従い、今夜未知の北海道に旅立つ女中のおせん。それぞれの「かどで」