いつも通りの慌ただしいランチタイム。ある契約社員の男は魚を飲み込むと、喉に骨が刺さる。でもそんなことには構ってられない。日々の雑務で忙しいのだ。ところがどんどん骨は成長する。喉を突き破り、肉がつき始める。ほとんど魚人間になった男に、同僚が気づく。たぶん、あなた新人類よ。進化して初めての人間となった男の孤独を目の当たりにした部下は、その姿に昭和の父親の面影を見た!
THE SHAMPOO HAT第21回公演
<公演チラシより>夜が酷く白かった。どこからか微かにテレビの音が聴こえる。断続的な群衆の笑い声に酷く苛立ち、キャビンマイルドに火をつけた。松屋でカレーなど食わなければ良かった。ハァハァと吐き出す息がカレー臭くて、泣くに泣けなかった。野良猫と目があった。撫でようとしたら逃げられた。ポケットから折りたたみ式のナイフを取り出した。ドンキホーテで二千円のナイフ。夜が酷く白かった。そろそろ行かなければならな
THE SHAMPOO HAT第28回公演
葛城清(赤堀)と伸子(鈴木)の次男である稔(新井)は、児童8人を殺害する事件を起こす。裁判では被害者遺族の田端博昭(児玉)に悪態をつくなど、反省の様子を見せない稔は死刑を宣告される。その後、稔と獄中結婚した死刑制度に反対する星野順子(安藤)が清の家を訪れる。稔から謝罪の言葉を引き出そうとする彼女は、稔の闇を知るべく稔の昔のことを聞きに来たのだ。暴力的な稔は兄の保(日比)とは対立し、清のいとこ梶竜二