新型コロナウイルスの収束後も、次々と新たな感染症が蔓延する現在。最新型の病原体「ネクロウイルス」の感染拡大により、政府は再び特殊衛生班を編成し、発症者の駆除を行っている。一方、新宿五丁目のデリヘル「わくわくパラディーソ」では、今日もデリヘル嬢、店長、ドライバーが待機場所でくだらない話に花を咲かせていた。とりとめのない日常と、すぐそばの歪な現実の物語。
ある日突然、死んだ友人の幻影を見るようになった小説家、稔梨。彼女は友人の民俗学者と共に、海沿いの小さな集落に住む霊能力者のもとを訪れる。しかし彼女が尋ねたとき、集落は年に一度の祭『おわたり』の準備に大わらわだった。『おわたり』とは、その年に海で死んだ者たちの魂がいっせいに黄泉の国へと渡ること。 死者と生者が混在するひと夜。海は闇に溶け出し、人の秘密があふれ出す。
人は美談に殺されるーー人類の平均寿命が50歳まで低下した近未来。人々は早すぎる死を恐れ、人生の意味を渇望し、己の死に様に「美談」を求めるようになった。依頼人の求めに応じて美談をつくる「美談作家」はもてはやされ、売れっ子は巨万の富を築いた。ある時、大御所美談作家が駆け出しの貧乏美談作家に依頼する。「私の為に、この世で一番下らない美談を書いてくださらない?」二人の出会いが、社会を揺るがす恐ろしい美談を
進路に悩む美大生、僚太、朝利、板垣。三人はひょんなことから、1908年のウィーンにタイムスリップしてしまう。そこで出会ったのは、ウィーン美術アカデミーの受験を控えた青年、アドルフ・ヒトラー。彼らは未来を変えるため、ヒトラーの受験をサポートすることに。けれどヒトラーにはまったく絵の才能がなくて――果たして三人は、ヒトラーを独裁者でなく画家にすることができるのか?!人類の未来をかけた絵画レッスンが始ま