井上ひさしが描く、漱石的学校での不思議なひと時。晩年の漱石に多大な影響を与えたと言われる「修善寺の大患」。作風のみならず本人の死生観にまで影響を与えた三十分間の意識の空白の中、「坊っちゃん」「三四郎」「それから」「薤露行(かいろこう)」「こころ」などの多彩な漱石作品を思わせる登場人物たちが、各々が抱える「どうしようもない淋しさ」を埋めるために動き出す。"夏目漱石"評伝劇が鵜山仁の手によりこまつ座初
全寮制男子校である霧森学院の旧寮「あすなろ館」。あすなろ館の住人の一人・兎川雛太の元に、新たな入居者エチカがやってきた。ある日、学内で絶対的な権力を持つ生徒会長の湖城龍一郎が何者かに殺害された。転入生のエチカは湖城から目を付けられていたため、犯人の最有力とされてしまう。雛太はエチカの嫌疑を晴らすため、捜査を始めるが――!?