江戸以来の子どもたちの遊びを大人たちが夢中になってやる。それだけのことに客席の子どもたちは熱狂し、そして、僕は、何度も涙してしまった。町のアチコチに空地があって、子どもたちが遊びを工夫していた時代の、なんという想像力の豊かさ。一本の縄や棒が、魔法のように活躍する。だから、舞台の道具はトランクに納まってしまうのである。まさに世界に通じる舞台であった。能・狂言もさることながら、この劇団をもっと世界に送
ハンスは旅から旅へのいかけ屋(なべやかまの修理屋)ですが、いかけばかりでなく、修繕ものなら何でもござれの腕前です。ある日のことです。井戸ばたで一人の娘がシクシク泣いていました。話を聞くと、主人夫婦は世にもまれなケチンボで、娘は朝から夜遅くまでこき使われ、お給金を催促すると、水車小屋の夜番に行かされるというのです。夜になると、その水車小屋には、おそろしいおばけが出るのです。それを知ったハンスは…