シェイクスピアの恋愛悲劇『ロミオとジュリエット』とプロコフィエフの音楽をもとにした、金森穣創作の劇的舞踊『ROMEO&JULIETS』。Noismの舞踊家に加えてSPAC-静岡県舞台芸術センターの俳優が出演。舞踊家達の雄弁な身体と旋律のように言葉を操る俳優の身体が、対峙しながらも重層的に鳴り響く。その先に現れるのは、舞踊でも演劇でもない「劇的舞踊」でしか描けない“ロミオとジュリエットたち”の物語。
Noism初、映像のための舞踊作品。2020年、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、世界中を取り巻く環境は大きく変化した。“公演の記録映像の配信”ではなく、この社会状況下だからこそ生まれる“映像で観ることを前提とした舞踊作品”として金森穣が創作したNoism初の「映像舞踊」。Filmyで現在有料配信中。
本シリーズであえて“実験”の二文字を掲げるのは、この実験が作者である私自身にとっての実験であるからに他ならない。音楽や物語など、私にとっては外部の既存のものから得る刺激によって創作するのではなく、まずは空間及び動きの法則を仮定し、そこから何が生みだされるのかを創作過程において研究/記録すること。その科学的アプローチこそが本創作(実験)の趣旨である。(金森穣)
Noism設立15周年記念作品。「Fratres」とはA.ペルトの同名楽曲のタイトルであり、ラテン語で親族、兄弟、同士を意味している。他者との関わりが先鋭的に希薄になりつつある現代社会において、同士を求め、集団活動を標榜する舞踊団として、本作品を発表することは、創作及びその実演によって“その意味するところ”を“集団的に”見出すためである。その祈り、その儀式こそが本作品の主題である。
Noism0+Noism1+Noism2
『春の祭典』は白い病院着のようなものを着た男女。初演が2021年である以上、観客はコロナ禍を想起する。『春の祭典』は人知の及ばぬ自然にひれ伏す人間が、より弱い者を「生け贄」として選び出す話だが、金森はそこを超えて、さらに人々が共に厄災に立ち向かっていく姿まで描きだしている。